JEMDRA-HAPとは
設立の経緯
東日本大震災そして福島原子力発電所の事故で被災された方々の苦しみを少しでも軽減し、明日を生き抜くための直接的・間接的な支援を行うことを目標として設立されました。
短期的な目標
東日本大震災被災地域の精神保健の専門家たちにEMDRの研修を廉価で提供し、継続的な訓練とコンサルテーションを行います。地元の精神保健従事者が心理的な援助を必要とする東北地域の方々にEMDRを活用し支援を行っていけるよう人材を育成します。
中期的な目標
今後起こり得る自然災害や人災に際し、心理的支援が希薄な地域においてEMDR療法を活用できる人材を育成し、その地域に住む精神保健の専門家が地元の精神的支援の必要性に応えていく体制作りに取組んでいきます。
最終的な目標
地震、津波、台風、竜巻などの自然災害、そして戦争やテロ、対立や迫害など人間が巻き起こす人災のいずれにおいても、悲しみは更なる悲しみを産み、暴力は更なる暴力に繋がっていきます。こうした負のサイクルとその世代間の連鎖を断ち切り、憎しみ、悲しみ、苦しみに変わり『希望』をもって生きることのできるような世界が実現することが、JEMDRA-HAPの夢であり、目標です。
現在世界に広がるEMDR療法を通じての人道支援プログラムの先駆となったEMDR-HAP:EMDR人道支援プログラムは、1995年4月19日にアメリカで起こったオクラホマシティ連邦政府ビル爆破事件をきっかけに創設されました。その後バルカン半島における戦闘、北アイルランドにおける宗教戦争、ルワンダ、ケニアにおける紛争、トルコ地震、ノースダコタ洪水、東南アジアにおける大地震と津波等に人道支援プログラムを通じてEMDR療法を行える精神・心理療法の専門家を派遣してきました。被害を受けた地域の方々の苦しみの軽減に貢献し、悲しみ-苦しみ-そして憎しみといった負の連鎖を断ち切る努力を続けています。EMDRIA-HAPの活動とその意義は世界各地へと波及し、ヨーロッパ、南アメリカのEMDR療法に関わる専門家たちがそれぞれの国でHAPを立ち上げ、その活動が広がって来ました。日本EMDR学会人道支援プログラムが今後日本そしてアジア地域で、どういった活動を行うか、その真価が問われています。